
老後の資金計画をする際、生活費だけでなく、もし介護が必要になった場合の出費も頭に入れておくことは非常に重要です。



しかし、実際に自分が介護を必要とするかどうか、そしてその費用はどれほどになるかを正確に予測するのは難しいものです。今回は、介護にかかる実際の費用について詳しくお話しします。
介護にかかる平均的な費用
生命保険文化センターの調査によると、家を介護に適した形に改修したり、介護用ベッドを購入するなどの初期費用には平均で74万円がかかり、月々の介護費用にも平均で8万3千円が必要です。介護が必要となる期間の平均は5年1ヶ月で、トータルで平均580万円以上の費用がかかるとされています。
介護期間と費用の概観
『介護にかかる平均的な費用まとめ』
①初期費用、平均で74万円
②月々の介護費用にも平均で8万3千円
③5年1ヶ月で、トータルで平均580万円以上
※公的介護保険の利用者負担を含む
この金額は、公的介護保険を利用した場合の平均的な自己負担額です。介護状況は人によって異なり、これはあくまで平均的な値ですが、公的制度を利用してもこの程度の費用がかかる可能性があることは覚えておくべきでしょう。
介護保険による負担軽減
述べた介護費用は公的介護保険を利用した場合の平均額です。介護の兆候を感じたら、要介護認定の申請をしましょう。これにより、介護の必要性や程度が決定され、利用者は自己負担上限額までサービス利用料の10%を負担することになります。
介護の程度による費用と自己負担額
状態 | 区分 | 在宅サービス 1ヵ月限度額 | 自己負担額 (1割) |
---|---|---|---|
心身の状態が改善する可能性の高い方で日常生活の一部に支援が必要な状態。 | 要支援1 | 50,320円 | |
要支援2 | 105,310円 | 10,531円 | |
1から5に数字が大きくなるほど介護の必要性が高く、要介護5は生活全般について全面的介助が必要。 | 入浴、排せつ、食事などの日常生活動作について常に介護が必要な状態。要介護1 | 167,650円 | 16,765円 |
要介護2 | 197,050円 | 19,705円 | |
要介護3 | 270,480円 | 27,048円 | |
要介護4 | 309,380円 | 30,938円 | |
要介護5 | 362,170円 | 36,217円 |
公的年金の平均受給額は約173万円で、これに応じて自己負担額も決まります。収入が一定以上の場合、自己負担額は20%や30%になることもあります。また、負担が過重にならないように所得に応じた軽減措置や、高額介護サービス費の上限額設定もあります。
施設か自宅か、介護の選択
介護が必要になった際、自宅での生活を続けるか、施設での生活を選ぶかは大きな決断です。
在宅サービスの場合
自己負担額は要支援1の場合月5,032円から、要介護5では36,217円までの範囲です。しかし、これには介護用品の購入費や移動手段としてのタクシー利用費など、介護保険外の出費もあります。
施設サービスの場合
施設サービスの費用は、施設の種類や条件によって異なります。居住費、食費、日常生活費などが自己負担になります。
施設サービス費の1割 | 約27,500円 |
居住費 | 約60,000円(2,006円/日 ) |
食費 | 約43,300円(1,445円/日 ) |
日常生活費 | 約10,000円(施設により設定される) |
合計 | 約140,800円 |
在宅介護は見えにくい追加費用がかかるため、費用だけでなく、家族の体力や精神的な負担も考慮して、施設介護も選択肢に入れるべきです。
まとめ
年金だけで介護費用を全てカバーすることは困難な場合が多いです。以下の点を考慮すると、その理由が明確になります。
- 介護費用の高さ: 介護費用は、介護の程度や必要な期間によって大きく異なります。特に、重度の介護が必要な場合や長期にわたる介護が必要な場合、費用は膨らむ傾向にあります。
- 公的年金の限界: 多くの国で、公的年金は基本的な生活費をカバーするためのものであり、高額な介護費用を完全にカバーするには不十分なことが一般的です。
- 追加の出費: 介護には予期せぬ追加費用が伴うことがあります。例えば、介護用品の購入、改修費用、または専門的な介護サービスの利用などです。
- 公的介護保険の自己負担分: 多くの国では公的介護保険が存在しますが、これには自己負担が伴います。これは年金だけでは賄いきれない可能性があります。
- その他の生活費: 年金は介護費用だけでなく、住宅、食費、医療費、娯楽など、日々の生活に必要な他の費用もカバーしなければなりません。
このため、介護費用の計画を立てる際には、年金の他にも個人貯蓄、民間の介護保険、家族からの支援など、複数の財源を考慮に入れることが重要です。また、将来の介護費用に備えて、早期から貯蓄を始めたり、介護保険に加入したりすることも一つの手段となります。
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